『紙さまの話―紙とヒトをつなぐひそやかな物語』

『紙さまの話―紙とヒトをつなぐひそやかな物語』

『紙さまの話―紙とヒトをつなぐひそやかな物語』大平 一枝/小林 キユウ
誠文堂新光社(2016.7),  255 p

目次

1章 紙さまと人々(柚木沙弥郎 インドのブロックプリント/パリの暮らしが見える紙;菊地敦己 ミナペルホネンの目印/紙に残す職人の痕跡 ほか)
2章 10年前と10年後の紙さま(守先正;江藤公昭 ほか)
3章 紙さまに逢いにいく(憧れの青い紙袋。本当の“リッチ”を形にした資生堂パーラーパッケージの秘密;活版印刷屋三代目、今日もインクと機械と格闘す ほか)
4章 紙さまとわたし(不織布―北園克衛;二度と使えない紙袋―田中一光と山名文夫と資生堂書体 ほか)

2006年にポプラ社より刊行された『かみさま』は、本書掲載の活版印刷工場をきっかけに「活版再生展」(世田谷文化生活情報センター)が開催され、活版印刷を見直す潮流の大きなきっかけの一つともなりました。
好評だった『かみさま』の内容を一部残しながら、大幅に加筆修正をして新版化しています。

各界クリエイターに思い入れのある紙アイテムを取材した紙と人をつなぐ物語。旅先の切手、手紙、美しい装幀の本や菓子の包装紙など。各界のクリエイター、アーティストの方々に、自分の好きな、または思い入れのある紙アイテムをご紹介いただき、紙と人の物語を綴ります。

家族からの手紙、旅先での切手、美しい装幀の本、昭和の遊び心あふれたトイレットペーパーの包み紙、憧れの菓子の包装紙…
メールという痕跡のない文化に対して、手のぬくもりや、ザラザラ、しわしわとした痕跡のあるもの、存在感、物語を含んだ紙というアナログなよさを伝えています。

活躍するさまざまなクリエイターへの取材をはじめ、数十年ぶりにリニューアルを果たした資生堂パーラーのギフトボックスのデザインや紙の名前の付け方についてなど、ふだんはなかなか見ることのできない「紙さま」がうまれる舞台裏もしっかり紹介。
紙や手仕事に興味を持つ人だけでなく、デザインや印刷物に興味がある人にもおすすめしたい、これまでにない斬新で充実した内容です。