雪の上の足あと
↑キジの足あと。2022年12月の或る日。我が家の庭に、たまに遊びに来るようです。 ↓サル …
まるみず組 2022年製本コンクール テーマ:日本語
本棚に立てて収納するため、出っ張りのない和洋折衷の組み立て式のケース(四方帙ならぬ、三方秩)をつくります。
黄ボールを切り出して、蓋をはめ合わせる穴と凸部を土台に施します。
クリスクロス綴じする予定の背には、糸が外れにくくなるように、糸が当たる場所を少し削っておきます。
傷みやすい前小口だけ布を巻いて。 天地は布装。
ケース表には雨を連想させる落水紙。蓋となる面の内側に、本人的には凸パーツを氷柱っぽく、変形菱形に仕込みます。 収める本の表紙と共布です。
ケース内側の四隅は隠れてしま受けれど、袴折りでフランス装のように。
蓋の内側に合わせる雪模様の揉み和紙の色が薄いので、手染めした和紙を張り重ね奥行のある色味を出します。
収める本の表紙に面する箇所には、起毛紙を貼りました。
後の工程で背をクリスクロス綴じするときの綴じ糸が表紙に擦れにくくなるように、段差を設けています。
表ウラ背のパーツを綴じ合わせて三方の秩に。 天地からの内蓋の凹みに、ケース表紙内側の凸部を重ねて折り畳み、本を収納します。
個人向け手製本ならではの造本を、と本の改装とケース制作にできるだけ多くの国名の付く装丁様式を盛り込みました。 (スイス装とイタリアの交差式は、入れ込めず)
『素材を活かした手製本の教室―革装・布装・和装の作り方から本の直し方まで』井上夏生
スタジオタッククリエイティブ(2018), 175 p
ISBN:978-4-88393-833-9
目次
布で包む角背上製本や、様々な種類の革で仕立てる革装本、和紙の特徴を活かした和装本など、全16作品の作り方をオールカラーの写真付きで丁寧に紹介。二帖綴じなどの他書にはない和綴じ法や、革の買い方や漉き方を初心者にも理解できるように優しく解説。ページが破れてしまったり糸が切れてしまった愛書の直し方や本を長持ちさせるための方法などをケース別に詳説しており、趣味にも実用にも役立つ一冊。