Jul2021制作(丸背半革装函入り角背革装本)

Jul2021制作(丸背半革装函入り角背革装本)

まるみず組 2021年製本コンクール テーマ:金

文庫本サイズの上製本を解体します。

解体した本文から1ページずつ接着剤を根気よく取り除きます。無線綴じでしたので和紙でつないで折丁の状態に戻し(2枚一折8ページ)、もとの見返しを中扉として再利用しました。もとの表紙も別丁扉として綴じ込みます。

紙袋を見返し紙として糊染めしましたので、効き紙と遊び紙に紙袋の模様が見えています。本文側からはみえないように少し工夫を施してあります。

帯麻を支持体として本かがり。その後、やすりがけした天地小口にパステルで下染めして、フィルム金箔を押しました。あまり上手くつかず。。。

花布は牛革と絹糸です。

表紙はバッファロー革による総革装。空押し模様をいれて、背タイトルをフィルム箔で押しました。活字は築地活字さんより購入したものです。

さらに金具を装飾としてとりつけ、金具の足の盛り上がりが見返し紙に影響しにくくなるようにヒラの内側を埋立てます。

丸背にみえる角背仕立てです。慶応大学所蔵のグーテンベルク42行聖書をイメージして造本しました。当時も高額だったと思いますが、グーテンベルクによる印刷技術の革命により、写本から印刷本の複写形式に取って代わられることで、一冊当たりの本の金銭的価値が大きく変わったと思い、テーマの「金」にあたって、この造本を設計しました。

 

もとの表紙を別丁扉仕立てにした本扉です。この色に寄せて、見返し紙と函表紙の装飾紙を糊染めしました。

 

夫婦函を仕立てます。丸背継ぎ表紙の本のかたちにしました。

花布っぽく、小さな革を天地小口の端に装飾として貼り付け、函の背にはタイトルを箔押した革モザイクを施します。

金具の盛り上がりにあわせて函の内側に凹みをつけた緩衝材を敷き、閉まりやすくしました。

(10-Jan-2022 本文と写真追加)

15 改装 「復刻版 歐文活字」