桑紙づくり 2022-2023(中編)
前年に引き続き、『家庭で出来る「桑枝」を原料とした和紙の作り方』*(群馬県蚕糸技術センター …
中公文庫『本とその周辺』武井武雄
中央公論新社(2014), 192 p
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3047987
※国立国会図書館/図書館・個人送信限定公開
目次
本とその周辺/p3
はじめて作った本/p6
豆本発祥顚末/p9
本の表現様式/p26
私刊本・限定本/p68
特装本・私生児本/p79
装幀・装釘・装本・造本・製本/p85
地上の祭/p89
奥附/p97
蔵書票/p104
絵本/p109
愛書人行状記/p144
親類というもの/p156
名匠というもの/p165
後記/p175
百均百貨店での紙素材で手触り・使い勝手がよさそうな紙ものを見つけましたので、備忘録。
Sリア
Cドゥ
Dイソー
Wッツ
『実用製本技術読本』高橋秀三
製本社(1936)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1862308
※国立国会図書館/図書館送信参加館内公開
目次
第一章 序說
第一節 製本術の起原と發達
第二節 製本上の豫備知識
第三節 書籍各部の呼稱及製本樣式
第四節 書籍製本の順序
第二章 製本工程の槪要
第一節 刷本引取と一部拔き及見本作製
第二節 刷本斷ち割り及折
第三節 揷込みと貼込み
第四節 丁合
第五節 並製本の製本工程
第六節 見返紙
第七節 縢り
第八節 均し
第九節 平締めと締機械
第十節 斷截
第十一節 丸味出し及バツキング
第十二節 背固めと背貼り
第十三節 表紙貼
第十四節 きめ込みに就て
第十五節 糊入れ及壓し
第十六節 見返紙及表紙檢査
第十七節 包裝及凾入
第三章 裝幀製本材料
第一節 クロス
第二節 革
第三節 レザークロス・レザーペーパー及紙クロス
第四節 布地類
第五節 裝幀材料の種類と其の良否の比較
第六節 ボールに就て
第七節 縢り絲に就て
第八節 箔に就て
第九節 見返紙に就て
第十節 ヘドバンに就て
第十一節 膠及糊に就て
第十二節 寒冷紗及背貼紙に就て
第十三節 包裝紙に就て
第十四節 補遺及注意事項
第四章 膠と糊
第一節 膠
第二節 糊
第五章 見返紙と其の作り方
第一節 見返紙
第二節 見返紙のつけ方
第六章 丸味出し(バツケ)とバツキング
第一節 丸味出し(バツケ)
第二節 バツキング
第七章 背固め
第八章 箔押
第一節 箔押に就て
第二節 金版に就て
第三節 箔押方法の種類
第四節 裝幀材料の種類と箔押
第五節 箔下劑の造り方
第六節 銀箔及びアルミ箔に就て
第七節 金箔のおき方
第八節 金箔の加熱度とタメ置き時間
第九節 熱の加減の見方
第十節 箔押土臺の作り方
第十一節 金版の掃除
第十二節 箔の繕ひの注意
第十三節 エナメル箔及色箔の押し方
第十四節 箔押に關する注意一束
第十五節 箔押機械に就て
第九章 インキ押と漆押
第一節 インキ押と製本用インキ
第二節 漆押
第十章 小口金つけ
第十一章 小口染の仕方と染料及顏料
第一節 小口染
第二節 染料
第三節 顏料
第四節 媒染劑・防水劑・色止劑
第十二章 マーブルのつけ方
第一節 マーブルつけの目的
第二節 マーブル舟
第三節 膠水(サイズ)
第四節 牛膽とアルコール
第五節 明礬水
第六節 刷毛
第七節 繪具
第八節 試し方と見方
第九節 マーブルのつけ方
第十節 マーブルの種類
第十一節 マーブルつけ機械
(附錄)
『図書の修理と製本』伊藤明
同学社(1953)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2933597
※国立国会図書館/図書館送信参加館内限定公開
目次
我が家の庭に自生した桑の木です。楮はクワ科の植物なので、群馬県の『家庭で出来る「桑枝」を原料とした和紙の作り方』*(群馬県蚕糸技術センター)を参考に、桑紙づくりに挑戦してみました。
* https://www.pref.gunma.jp/07/p14700016.html
楮の育て方を真似て、夏の間、脇芽を掻きとって2021年11月下旬に刈りました。
大鍋に入るように桑の枝を約20 cmにノコギリで切り、40分ほど蒸し上げます。くるんと気持ちよく皮がむけました。スケッパーで外皮をこそげ落とします。
重曹とともに45分くらい煮て、水に晒します。少量ですので、1週間ほど1日数回水を取り替えながら1週間ほど晒しました(名水多き富山県の水道水)。
雪晒しも行ってみました。
雨は雪になりました。これから一週間は続く予報。
晴れ間に桑を雪晒ししたいな。 pic.twitter.com/uFEm9UDa7s— ことり百貨店 (@yorozuyaCotori) December 30, 2021
叩解作業です。
昨日の一粒万倍日にこそ桑紙を、とすり鉢で叩いてほぐして叩いてほぐして。紙粘土(?)みたいな仕上がりを期待しつつ休みながら2時間近くで強制終了。割れちゃったから。
がしかし、天赦日でもあったのでした。よかったよかった。 pic.twitter.com/jjjgWSd6UJ— ことり百貨店 (@yorozuyaCotori) January 11, 2022
解した紙料に、自家栽培した2021年11月収穫のトロロアオイ根(ネリ)を加え、均一になるように手回しミキサーでよく混ぜ、いよいよ念願の桑紙の流し漉きです。といっても量が少なすぎて、溜め漉きとあまり変わらないのかもしれませんが。。。
漉いた桑紙をまな板にはさんで重しをのせて一昼夜圧搾した後、まな板に一枚ずつ貼り直して乾燥させます。撫で刷毛を持っていないため、豚毛ブラシでたたいて空気を抜きました。
乾燥した和紙を板から剥がし、愛でています。和紙づくりって手間も時間もかかるけれど、千年以上も残すことができるもの。太陽の力と清らかな水と人の手がたくさん必要なのですね。
桑枝約10本から、葉書サイズの薄手の桑紙が8枚作れました。
(Jan2022)
#無言で和紙を上げる
桑紙完成!楮紙より茶色い。
待ちきれず上の2枚を剥がしてプレス。薄くても厚くても均一に仕上げることの難しさ。 pic.twitter.com/xJEhaAJLvt— ことり百貨店 (@yorozuyaCotori) January 16, 2022
2007-03-22
望月廃業その後
昨日、畏友の大貫伸樹氏(装丁家)から電話があって、この「鈴木潤一編集者日記」に書いてあった、アサヒクロスがその後どうなったかということを聞かれた。
私も、望月(株)のその後を、このブログに書かなくてはと思いつつ、このブログは秘密、ほとんどだれにも話をしていないので、だれからも見られていないと思って、そのままにしておいた(基本的にはこのブログは、私のメモのようなものであり、そのスタンスを変えるつもりはいまのことろない)。
さて、望月(株)が廃業に際して、社員の有志5人が、新たにアサヒクロス株式会社という会社を設立して、現在小豆沢辺りで営業活動をしている。有志の代表の方とお目に掛かって伺ったことは以下の通り。なお、念のために書いておくが、望月は装飾織物の最大手の会社で、望月の扱う布クロスの商品名がアサヒクロスである。今回設立の新会社は、その商品名を引き継いたものを会社名にした。
望月の廃業は、儲からなくなった為。
倒産する前に止めることを経営者が選んだ。
以前にも会社の組織を改革したが業績が改善しなかった。
アサヒクロス株式会社の発足は、望月の旧経営者も認めている。
アサヒクロス(株)の発足に際しては、折り屋さん・染屋さんなどの有力業者のバックアップというかススメがあった層だ。
実際この3月末に刊行する私の担当書も敢えてこのアサヒクロスさんの初仕事でお願いした。末永く活動して欲しい。
鈴潤 (id:suzujun1030)