Jun2022制作(クリスクロス綴じドイツ装仕立て三方帙)
まるみず組 2022年製本コンクール テーマ:日本語
本棚に立てて収納するため、出っ張りのない和洋折衷の組み立て式のケース(四方帙ならぬ、三方秩)をつくります。
黄ボールを切り出して、蓋をはめ合わせる穴と凸部を土台に施します。
クリスクロス綴じする予定の背には、糸が外れにくくなるように、糸が当たる場所を少し削っておきます。
傷みやすい前小口だけ布を巻いて。 天地は布装。
ケース表には雨を連想させる落水紙。蓋となる面の内側に、本人的には凸パーツを氷柱っぽく、変形菱形に仕込みます。 収める本の表紙と共布です。
ケース内側の四隅は隠れてしま受けれど、袴折りでフランス装のように。
蓋の内側に合わせる雪模様の揉み和紙の色が薄いので、手染めした和紙を張り重ね奥行のある色味を出します。
収める本の表紙に面する箇所には、起毛紙を貼りました。
後の工程で背をクリスクロス綴じするときの綴じ糸が表紙に擦れにくくなるように、段差を設けています。
表ウラ背のパーツを綴じ合わせて三方の秩に。 天地からの内蓋の凹みに、ケース表紙内側の凸部を重ねて折り畳み、本を収納します。
個人向け手製本ならではの造本を、と本の改装とケース制作にできるだけ多くの国名の付く装丁様式を盛り込みました。 (スイス装とイタリアの交差式は、入れ込めず)